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Eli’s note from MILANO #18『イタリア人はキレイ好き?ーイタリア在住バイヤーが見た、日本とイタリアの「キレイ」の違いー』

Eli’s note from MILANO #18『イタリア人はキレイ好き?ーイタリア在住バイヤーが見た、日本とイタリアの「キレイ」の違いー』

みなさん、こんにちは。
イタリア在住、インポート雑貨バイヤーのEliです。

このところ、ミラノは爽やかでとても過ごしやすい季節になってきました。天気の良い日は、ミラネーゼたちが街へ繰り出すので、華やかな活気に満ちています。

さて、最近日本のニュースを見ていると、「外国人観光客の増加」というワードをよく耳にします。

実際、身近なイタリア人の友人からも、最近日本へ旅行したという話をよく聞くようになりました。
旅行の理由は、「日本の桜を見るのが夢だった」、「円安の影響もあって、以前より旅行しやすい印象になった」など様々ですが、軒並み「日本が大好きになった」とのコメントで、良い印象を持ってくれていました。日本の文化や食べ物をはじめ、街の安全さや清潔さについても、感心してくれているようです。
私はとても誇らしく嬉しい気持ちで、それらの話を聞いていました。

そんな中、興味深い感想を語ってくれた人がいました。
「日本に行ったら、道にゴミ一つ落ちていなかった。素晴らしい、日本の街はとても清潔だね。しかし、家の中はあまりキレイじゃないね」

私はこのコメントに驚きました。日本の道にはゴミが落ちていませんし、公共のトイレだって清掃が行き届いていて、気持ちよく利用できます。家の中でも、日本人は靴を脱いで生活しており、世界でもトップクラスのキレイ好きだと思っていたのです。
「どうしてそう思ったのだろう?」という大きな疑問が湧いてきたので、私なりに、この理由をよく考えてみました。

そうすると、家の中の「キレイさ」にも文化の違いがあることが見えてきたので、今回はイタリア人の家の中についてご紹介します。

 

イタリア人の家はいつも完璧に掃除され、片付いている

旅行したことがある方はご存知かと思いますが、イタリアは古い街並みが残っていて、歴史を感じさせる景観が魅力です。
しかし、道にはタバコの吸い殻や使い終わったティッシュがあちこちに落ちていたり、時々犬のフンがあったり、公共のエリアにとてもゴミが多いのです。
私がイタリアを初めて訪れたとき、躊躇なく道にタバコをポイ捨てする人を見て、さぞかしイタリア人の家は汚いのだろうと想像していました。

しかし、イタリアに住むようになって、現地のお宅にお邪魔する機会が増えると、「イタリア人の家はものすごくキレイで片付いている」ということがわかりました。
それが、ちょっとキレイというより、いつだって完璧に片付いているのです。床はピカピカに磨かれ、キッチンのコンロやシンクには汚れ一つありません。
少なくとも私が経験した限りでは、ごちゃごちゃした感じの家は見たことがなく、すっきり片付いています。誰かが来るから掃除しているという風ではなく、いつでもキレイなのです。

イタリアの人々は一般的に家の中でも土足で生活しているので、清潔な床を保つためには頻繁にモップがけが必要です。汚れ一つないシンクを保つためには、キッチンを使う度に掃除しなければなりません。イタリアの家はとても丁寧に掃除されていることがわかります。

 

収納で重視するポイント

日本人だって、家の中の清潔さでは負けていないのに、なぜイタリア人の友人は日本の家がキレイではないという印象を受けたのでしょう。

それはおそらく、収納にポイントがあるように思います。日本の家の収納は、見た目よりも、出し入れのしやすさなどの機能性が重視された収納が多いように感じます。一方、イタリアの場合は「見せない」収納方法になっていて、使いやすさより、見た目の美しさに重点を置いています。

たとえば、私のイタリアの家の冷蔵庫は家具の扉の中に隠れていて、知らない人が見たらそこに冷蔵庫があることがわからない作りになっています。もし冷蔵庫が壊れたら、家具ごと全て修理するのだろうか?と憂鬱になることもありますが、見た目はすっきりしていて美しく感じられます。
他の調理器具も、全て見えない場所に収納できるようになっており、使い勝手はさほどよくありませんが、非常に統一感があって整ったキッチンです。

また、日本には安くて便利なグッズがたくさんあるので、モノが増えがちなのではないかという気もします。イタリアでは、便利さよりも美しさを重視するので、便利グッズがあまり流通しておらず、モノもそんなに増えない傾向にあります。

このような観点で日本の家を見ると、モノが多くて「キレイじゃない」ように見えるのかもしれないと気がつきました。

 

家は、社交の場

日本では、どちらかというと、家は「プライベート空間」と考えている人が多いような気がします。
一方、イタリアの人々は、家を「社交の場」と捉えている人が多く、ホームパーティーを開催したり、人を招くのが好きな印象があります。

そのためか、イタリアではインテリアもとても素敵にコーディネートされているお宅が多いのも特徴です。自分らしくお部屋を装飾していて、家の中を見るとそれぞれの個性やこだわりが感じられます。

いつ誰が来ても招き入れられるよう、常に清潔に、そしておしゃれに家をととのえているのです。

 

(番外編)イタリア人はアイロン好き

イタリアでは身だしなみに気を使っている人が多く、お洒落なイメージがありますよね。クシャクシャのものを着ている人はあまりおらず、一人暮らしの人でもきちんとアイロンされたシャツを着ています。

ただ、シャツだけではなく、中にはジーンズ、Tシャツ、靴下、下着、タオルなど、ありとあらゆるものにアイロンをかけるという人も結構いるのです。
特に、年配の女性は、ほとんどの洗濯物にアイロンをかけるようです。一体なぜなのか、何人かに聞いてみたのですが「アイロンするって当たり前でしょう?」というのが大前提らしいので、納得できる理由を得られたことがありません。それより、私が一度も靴下や下着にアイロンをかけたことがないということに逆に驚かれてしまい、話が進まないので、これに関しては理由を深堀するのを諦めました。
しかし、「きちんとアイロンされたシーツに寝るのって気持ちが良いでしょう?」と言われると、その通り。
できる限りアイロンに時間をかけたくない私には、とても真似できないことで、ただただ脱帽するしかないのでした。

 

イタリアの美しく整った家の中、日本の清潔な公共エリア

完璧に掃除をこなし、全ての洗濯物にきっちりアイロンをかけ、常に家をキレイに整えているイタリアの人々。とても丁寧な暮らし方をしていますね。
常に完璧な状態をキープするのは大変なことなので、イタリアの友人宅に行くといつも感心してしまいます。

一方で、イタリアの街中に落ちているゴミや公共のトイレ事情などを目の当たりにすると、「なぜ共有スペースはキレイに使えないのだろう」と、疑問に感じてしまうのですが、おそらく、公共の場を掃除するのは自分の仕事ではないというイメージがあるのではないかと考えています。実際、自治体が道を清掃しているのをよく見かけます。

そんなイタリア人からすると、ゴミが全く落ちていない日本の街の清潔さに驚き、日本人の家の中はどんなに整っているのだろうと想像するようです。
ところが、使い勝手を重視した日本の家は、イタリア人の目には「あまりキレイじゃない」と映り、意外に感じたのだと思います。

家を、人をもてなす社交の場と考えているイタリアと、プライベート空間で、自分が快適に過ごせることに重点を置いている日本とでは、イメージする「家のキレイさ」が少し違うものなのかもしれませんね。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。外国人観光客が増えると、日本のことをよく知ってくれる人が多くなって嬉しく感じますね。
彼らを通じて、今まで気づかなかった日本の習慣を再確認することがあります。「日本は風景が美しい」「食べ物がおいしい」などはよく聞きますが、今回、「キレイさ」という観点で新しい発見ができておもしろかったので、イタリアの習慣と合わせてご紹介してみました。
また時々、イタリアで生活している私の目線で興味深いと思ったことを、少しずつシェアしていきたいと思います。

では、また次回!

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