防炎カーテンは必要?設置の義務や選び方、メンテナンス方法まで詳しく解説!
暮らしの中で起こりうる災害の一つとして、「火災」があります。
ちょっとした不注意が火だねとなり、大きな火災となることも。
万が一のときの備えとして取り入れたいのが、燃えにくい性能を持つ「防炎カーテン」です。
高層マンションや公共施設など、建物によっては防炎カーテンの設置が義務付けられていることがあります。
今回は、防炎カーテンについて、設置が義務付けられている建物、カーテンの選び方などを詳しく解説していきます。
メンテナンス方法や、防炎カーテンを使ったおすすめコーディネートもご紹介しますので、防炎カーテンを検討されている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
防炎カーテンとは
防炎カーテンとは、その名の通り「防炎」機能を持ったカーテンのことです。
「防炎」とは、火がついても「燃えにくい」という機能のこと。
燃えにくい繊維を使ったり、燃えにくい加工を施すことで、小さな火に接しても着火しにくく、もし着火しても燃え広がりにくい仕組みになっています。
防炎機能を持つ製品は、今回解説するカーテンのほかに、じゅうたんや布団、衣類など、身のまわりに幅広く存在します。
防炎カーテンのメリット
防炎カーテンのメリットは、ずばり、火災による被害を抑えられることです。
火災が発生した際、火が燃え広がる大きな原因の1つにカーテンがあります。
布製品はもともと燃えやすい上に、カーテンは床から天井近くまで吊るされていることが多いため、火が付いてしまうと一気に炎が燃え広がってしまうのです。
カーテンに火が燃え移るかどうかで、軽い小火で収まるか、火災に発展してしまうかが決まるといってもいいでしょう。
通常のカーテンなら火が燃え広がって火災になってしまうような場合でも、防炎カーテンであれば燃え広がるスピードを抑制し、消火や避難のための貴重な時間を稼ぐことができます。結果として、火災による被害を最小限に抑えられる可能性が高くなるのです。
防炎カーテンが必要な場所
では、防炎カーテンはどのような場所で必要なのでしょうか?
法令で防炎カーテンの設置が義務付けられている場所もありますので、知らないうちに違反をしてしまわないよう、しっかりチェックしていきましょう。
消防法で義務付けられている場所
消防法で防炎カーテンの設置が義務付けられているのは、主に以下のような場所です。
・高層建築物(高さ31mを超える建築物)
・地下街
・公共施設(学校、図書館、集会所など)
・多くの人が出入りする施設(病院、劇場、ホテル、レストランなど)
この中で一般住宅に大きく関係するのは「高層建築物」です。
高層建築物とは、高さ31mを超える建築物のこと。
高さ31mは大体10階建てほどの高さになるので、11階建て以上のマンションに住んでいる方は、防炎カーテンの設置対象となります。
高層の建物は、火災が起きたときに避難や消火活動がスムーズにいかないこともあるため、防炎カーテンの設置は非常に重要です。
ここで注意しなければならないのが、マンション自体が11階建て以上であれば、10階以下に住んでいても防炎カーテンの設置が義務であるということです。
「私は1階に住んでいるから関係ない」と勘違いをしてしまわないよう、しっかり法律を理解した上でカーテンを選びましょう。
違反をするとどうなる?
防炎カーテンを設置していない場合、消防法違反として罰則を受ける可能性があります。
消防法違反の罰則は、違反の内容によって異なりますが、罰金や懲役もあります。
防炎カーテンの設置状況について、一般住宅に立ち入り検査が入ることはあまりないかもしれません。しかし、「確認されないから大丈夫」と放置するのではなく、自分や周りの人々の安全を守るためにも、必ず防炎カーテンを設置しましょう。
指定対象外でも防炎カーテンは必要?
一軒家やアパート、低層のマンションなどでは、防炎カーテンの設置は義務付けられていないため、必ずしも設置する必要はありません。
しかし、防炎カーテンを設置しておくことで、万が一の際に自分や家族の身の安全を守ってくれる可能性があります。
もし今カーテンの買い替えを検討している方や、引っ越しを機にカーテンを新調する予定がある方は、このタイミングで防炎カーテンの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
防炎カーテンの見分け方
今使用しているものが防炎カーテンなのか確認したい場合や、防炎カーテンをこれから購入する場合に、防炎カーテンかどうか見分ける方法をご紹介します。
●使用しているものが防炎カーテンか確認したい場合
使用しているカーテンが防炎カーテンかどうかは、「防炎ラベル」の有無で確認することができます。
防炎カーテンには「防炎ラベル」を付けることになっていて、カーテンの裏の上部や裾の方に縫い付けられているので、カーテンの裏側を調べてみましょう。
└防炎ラベルとは
防炎ラベルとは、防炎製品であることを証明するラベルで、日本防炎協会が発行しています。
防炎ラベルを付けることができるのは、消防庁長官によって「登録表示者」として登録された業者に限られています。
また、防炎製品は法律で基準が定められていて、それを満たす製品にのみ防炎ラベルを付けることが許可されています。
●これから購入する場合
多くのカーテンショップでは、対象のカーテンに「防炎」機能がついていることを示すマークがついているので、そのマークを目印にしましょう。
ジアスでは「防炎」機能付きのカーテンには下記のマークを表示しています。
防炎マークは、赤色で目立つだけでなく、いくつか機能マークがある中でも先頭に表示されているので見つけやすいですね!
└「Eco de Happiness」なら、85%が防炎機能つき!
機能性とデザイン性を両立させたジアスオリジナルのカーテンシリーズ「Eco de Happiness(エコデハピネス)」では、掲載されているカーテンの85%が防炎機能付きです。
豊富なラインナップの中からお選びいただけますよ。
防炎カーテンを買うときのポイント
①防炎ラベルが付いているか確認する
防炎カーテンの設置が義務付けられている場所では、先ほどご紹介した「防炎ラベル」が必ず必要になります。
日本防炎協会の防炎ラベルが付いているか、カーテンの裏面を確認してみましょう。
仮に防炎機能が付いたカーテンであっても、このラベルが付いていないと、防炎カーテンである証明ができません。
オーダーで防炎カーテンを作る場合、お店によっては防炎ラベルの縫い付けがオプションになっていることもありますので、購入の際にはしっかり確認しましょう。
ジアスでも、防炎ラベルの縫い付けはオプションとなりますので、ご自宅が防炎カーテン設置対象の場合はご購入時にスタッフへお申し付けください。
②防炎ラベルの種類を確認する
カーテンに付けられる防炎ラベルは、クリーニングなどの取扱い方法によって下記の6種類に分けられています。
真ん中に赤字で「防炎」と書かれており、下の方に水洗い洗濯やドライクリーニングの可否などが記載されています。
右下の2種類の「洗濯後再防炎処理したもの」は、施設などで用いられるので、一般住宅ではそのほかの4種類のいずれかになります。
種類によっては、水洗いやドライクリーニングをしたあと、再度防炎処理が必要なものもあります。
ご自宅で定期的にカーテンを洗濯したい方は、水洗い洗濯が可能で、再度防炎処理が不要な種類を選ぶと良いでしょう。
メンテナンス方法については、後ほど詳しくご紹介しますので、そちらをぜひ参考にしてくださいね。
③防炎機能以外の機能にも注目する
防炎機能以外にも、カーテンにはうれしい機能がたくさんあります。
遮光やウォッシャブル、UVカットなど、ドレープカーテンとレースカーテンでそれぞれ多様な機能があるので、防炎だけでなく、ほかの機能にも注目して選んでみてくださいね。
防炎カーテンのメンテナンス方法
前述した通り、防炎カーテンはクリーニング方法によって防炎ラベルの表示が異なっています。
6種類あるうち、一般住宅用のカーテンでよく使われる4種類のメンテナンス方法について詳しくご紹介します。
うっかり誤った方法で洗濯をしてしまうと、せっかくの防炎機能が失われたり、防炎処理が再度必要になったりするので、ラベルの確認は忘れずに行いましょう。
特に何も注意書きがないノーマルな防炎ラベルの場合、クリーニングについて特に制限がないので、カーテンの基準に応じて洗濯をすることが可能です。
カーテンに付けられている洗濯表示を確認し、正しくお手入れしましょう。
②水洗い洗濯についての基準に適合するもの
★水洗い可。ドライクリーニングをした場合は要防炎処理
水洗いが可能なので、カーテンの基準に応じて洗濯をすることができます。
ドライクリーニングをした場合、再度防炎処理が必要となるため、どうしてもドライクリーニングが必要な場合以外は水洗いが良いでしょう。
③ドライクリーニングについての基準に適合するもの
★ドライクリーニング可。水洗いをした場合は要防炎処理
ドライクリーニングが可能です。
ドライクリーニングは基本的にクリーニング店での対応になりますので、クリーニング店に依頼しましょう。
水洗いをした場合、再度防炎処理が必要となるため、どうしても必要な場合以外、水洗いは避けた方が良いでしょう。
④洗濯後は再防炎処理の必要があるもの
★洗濯をした場合は要防炎処理
洗濯をした場合は再度防炎処理をする必要がありますので、なるべく洗濯をしなくていいよう、汚れが落ちにくくなる前に日頃からこまめなお手入れをすると良いでしょう。
カーテンの表面についたほこりをハタキで軽くはたいたり、掃除機でやさしく吸い取ったりと、日常的にお手入れをすることによって、汚れの付着や生地の劣化を抑えることができます。
日常的なお手入れの方法は、こちらの記事も参考にしてみてください。
【テイスト別】防炎カーテンのおすすめコーディネート
ここからは、ジアスの防炎カーテンを使った、テイスト別のおすすめコーディネートをご紹介します。
ご紹介する全てのカーテンが防炎機能付きなので、安心してご使用いただけます。
気に入ったコーディネートがあれば、ぜひお部屋に取り入れてみてくださいね。
【ナチュラル】レースのまあるい柄があたたかい、ほっこりコーディネート
▶ドレープ:JE9387+裾部テーピングJE9389
▶レース:JE9321
▶装飾タッセル:JO701
Eco de Happiness | JE9387(ホワイト)
商品詳細はこちらEco de Happiness | JE9389(ベージュ)
商品詳細はこちらEco de Happiness | JE9321(ベージュ)
商品詳細はこちらまあるい柄が並んだレースに、ナチュラルカラーを使ったテーピングスタイルのドレープを合わせたコーディネート。
レースカーテンのまあるい柄は、糸をカットして表現しているので、ランダムな糸の動きが柄をぼかしてくれてよりナチュラルな雰囲気に。ざっくりとした生地感ながらもほんのりと光沢のあるドレープは、リラックスしたムードを漂わせつつ、品よくまとめてくれます。
アイボリーのベースに、裾部のワントーン暗いベージュのテーピングがほどよくポイントになり、シンプルながらもワンランク上のコーディネートに。
やわらかな色合いが心地のいい時間を運んでくれそうですね。
【北欧】北欧カラーで明るく楽しげなコーディネート
▶ドレープ:JE9353+上部テーピングJE9391
▶レース:JE9329
▶装飾タッセル:JO714
Eco de Happiness | JE9353(アイボリー)
商品詳細はこちらEco de Happiness | JE9391(ブルー)
商品詳細はこちらEco de Happiness | JE9329(ベージュ)
商品詳細はこちら明るい色使いが北欧らしさ満点の、楽しげな雰囲気のコーディネート。
イエローやパープルを使ったウェーブ柄の上部に、テーピングで明るい水色をプラスすることで、さらに北欧らしさをアップ。テーピングと言えば無地の色違いを合わせがちですが、柄と無地を合わせるのもとてもおすすめ。柄の主張をほどよく緩和しつつ、無地のカラーがアクセントになり、お部屋の主役になってくれます。生地の組み合わせを考えるのも楽しい時間ですね。
レースカーテンは、淡く色付けられた色糸が繊細に配列され、奥行き感を感じさせます。遠目に見るにつれ混ざりあっていく色が美しく、ニュアンスのある表情がやわらかな空気感を漂わせます。
【モダン】複雑な色合いが美しい、クールなグレーコーディネート
▶ドレープ:JD299
▶レース:JD293
▶装飾タッセル:JO713
ドレープカーテンとレースカーテンともにグレーを基調としながら、複雑な色合いの美しさが高級感を漂わせるコーディネート。
ドレープカーテンは、あえてムラが出るように染めた糸を使用していて、多色感が奥深い表情を見せてくれます。レースカーテンは、グレーのベースに質感の異なるゴールドの色糸をミックスさせ、金属のような異素材感を演出。グレーのワントーンながら、それぞれの生地の意匠性が際立ち、ハイセンスな窓辺をつくってくれます。
【エレガント】すっきりと品よくまとめる大人のコーディネート
▶ドレープ:JD214
▶レース:JE9335
▶装飾タッセル:JO708
花柄のドレープに、あえて無地のホワイトを合わせてすっきりとまとめたコーディネート。
ラインで描かれた花柄は、グレイッシュなカラーリングも相まって、可愛らしくなりすぎず品よく仕上がります。
レースカーテンは、なめらかな生地感でほどよく光沢があり、ドレープの柄を引き立たせます。
仕上げにブラウンカラーの装飾タッセルをプラスすることで、淡い色合いをぐっと大人っぽく引き締めてくれます。
万が一に備えた防炎カーテンで安心安全な住まいに
私たちの身のまわりは、燃えやすいもので溢れています。特にカーテンは、火が付くと炎が天井まで上がり、火災が広がる原因になります。
燃えにくい素材でできた防炎カーテンを取り入れることで、火災の発生を防いだり、被害を最小限に抑えることができます。
設置対象の方もそうでない方も、もしものときの備えとして、ぜひ防炎カーテンを取り入れてみてくださいね。
自分で選ぶのは不安という方や、プロと相談しながら決めていきたいという場合には、お気軽にジアスへご相談ください。今回ご紹介した内容もふまえつつ、お客様にぴったりのスタイルをご提案いたします。