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トレヴィーゾ便り #11「イタリアの Natale(ナターレ)~クリスマス の準備~」

トレヴィーゾ便り #11「イタリアの Natale(ナターレ)~クリスマス の準備~」

みなさんこんにちは、トレヴィーゾ在住のミナミです。

ヨーロッパが冬時間へ切り替わり、夜が深まるとともに、イタリアの街は一気にクリスマス模様へ。
午後5時、暗闇が広がりはじめると、街はきらめくイルミネーションの美しさに包まれます。

今回は、1年でいちばん心躍る時季「クリスマス」を、イタリアがどんなふうに迎えるのか、その特別な「準備」の様子をご紹介します。


■クリスマスの準備期間はいつから始まる?— Avvento(アヴヴェント)

Avvento(アヴヴェント)とは?

イタリアのクリスマスの準備期間は、「アヴヴェント(Avvento)」と呼ばれます。
この言葉は、ラテン語の「adventus(アドヴェントゥス)」、つまり「到来」を意味する単語に由来しています。

なにが到来するのかといえば、それは12月25日の「キリストの誕生」。
その尊い瞬間を心待ちにする期間であり、単なる準備期間ではなく「希望と準備のとき」を表しているのです。


Avvento(アヴヴェント)の期間

アヴヴェントは、毎年クリスマス(12月25日)の4週前の日曜日からはじまり、クリスマスイブ(12月24日)の日没までとされています。
この期間をかけて、イタリア人たちは心を清め、家を飾り付け、クリスマスの喜びを迎える準備をしていくのです。

イタリアでは「聖母マリアの無原罪の御宿り」という祝日が12月8日にあり、この日は全国的に休日となります。
正式名称は「Immacolata Concezione(インマコラータ・コンチェツィオーネ)」で、多くの街でこの日を境にクリスマスの飾り付けが本格的にはじまります。
最近では、12月8日よりもかなり早い時期に準備をするお店や家庭も多いのだとか。

毎年恒例の、ミラノのガレリア(※)に飾られる大きなクリスマスツリー。
この時期にミラノにお越しの方は是非覗いてみてください。
※ガレリア:ガラス張りの高い天井や屋根を持つ、ショッピングモールや中庭のような空間のこと。


家族みんなで。あたたかなクリスマス準備

家族総出でツリーを飾るのは、イタリアらしいあたたかい伝統。
presepe(プレゼーペ=キリスト生誕を表す模型)や Albero di Natale(アルベロ ディ ナターレ=クリスマスツリー)が登場し、イルミネーションがはじまります。

年に一度の飾り箱を開けると、去年壊れてしまった星飾りや、祖母から大切に受け継いだ思い入れのあるクリスタルのオーナメント、子どもたちが昔作った飾りが顔を出します。
それら一つひとつを手に取りながら、家族の思い出話に花が咲き、笑い声が絶えません。
そして、きらめくツリーの下に色とりどりのプレゼントを並べ終えたとき、ようやく「Natale(クリスマス)が来た」と家じゅうが笑顔に包まれます。

クリスマスツリーは、家にひとつは置いておきたい必須アイテム。
オーナメントには、各家庭の特色があらわれます。


■ 手作りのリース ― Casa(家)を包むやさしい輪

クリスマスリースは「永遠の命と希望」の象徴

リースは、途切れることのない「cerchio(チェルキオ=円)」の形であることから、 「永遠・生命の循環・家族の絆」 を象徴しています。
リースが常緑樹(冬でも緑を保つ木)で作られるのには理由があり、この象徴性はキリスト教にも深く根付いています。
冬でも枯れない常緑樹には「永遠の命」というメッセージが込められているのです。

そう考えると、新年の準備に用いる日本のしめ飾りが持つ「縁を結ぶ」「清らかさ」といった意味合いと、どこか共通するものを感じますね。


家族の愛を編み込む「手作りリース」

わが家でも、11月になるとリース作りがスタート。
山で取ってきたもみの木や松ぼっくりをベースに、お花屋さんで購入したユーカリの実や赤い実などをあしらい、世界にひとつだけの手作りリースを仕上げます。

できあがったリースは、テーブルに置いたキャンドルの周りに飾っても素敵ですし、日頃の感謝を込めて友人やお世話になっている人たちにプレゼントします。

お花屋さんの店先でも、この時期になるとモミの木でできたツリーや、さまざまなリースが並びはじめます。
私のように材料からすべて手作りする人もいれば、ベースだけ購入して飾り付けを楽しむ人、あるいは完成品を購入する人など、人それぞれです。


■ イタリアのクリスマスに欠かせない「Panettone(パネットーネ)」選び

Panettone(パネットーネ)は、イタリアのクリスマスには欠かせない伝統菓子であり、イタリア人にとって「クリスマスの味」といっても過言ではありません。

この菓子は、長時間かけて発酵させた自然酵母(lievito madre)の生地を、ドーム型にゆっくりと焼き上げたものです。
レーズンに加え、オレンジピールやシトロンなどのドライフルーツがたっぷり練り込まれているのが特徴です。
自然酵母を使うため、ふわっとしていながらも独特の弾力と香ばしい香りがあり、保存料を使わずに長持ちするのも魅力。

その甘く香ばしい香りは11月になると、スーパーマーケットからパスティッチェリア(高級菓子店)のウィンドウまで、どこからでも漂うようになります。

店頭にはさまざまな種類のパネットーネがずらりと並び、その中から自分好みの味を選ぶのも楽しみのひとつ。
購入して持ち帰ったパネットーネをクリスマスツリーの根元に飾るのは、イタリアの家庭では定番の光景となっています。


起源と歴史

パネットーネは、北イタリア・ミラノが発祥とされています。
その起源にはいくつか語り継がれている物語があるのですが、最も有名なのは「トーニという少年の物語」です。

舞台は15世紀、ミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァの宮廷。
ある宴の最中、料理人がうっかりデザートを焦がしてしまう大失態を犯します。
困り果てた料理人が、急遽、厨房で働いていた少年トーニが内緒で作っていた甘いパンを代わりに出したところ、これが大好評でした。
これ以来、このパンは「パン・デ・トーニ(トーニのパン)」と呼ばれるようになり、これが現在のパネットーネの名前の由来になったのだとか。


家庭での楽しみ方

イタリアでは、パネットーネはクリスマス当日を待たずに、12月に入ると同時に食卓へ登場します。
友人宅へ招かれたときの手土産や、会社の同僚への贈り物としても欠かせません。

そして、クリスマス当日は、あたたかいコーヒーと、華やかな甘口のスプマンテ(発泡ワイン)と一緒に、家族や親しい人たちと賑やかにいただくのが一般的な楽しみ方です。


■ Calendario dell’Avvento(アドベントカレンダー)― 毎朝の小さな楽しみ

12月1日から24日まで、毎朝ひとつずつ窓を開ける「calendario dell’avvento(アドベントカレンダー)」は、イタリアの子どもたちにとって特別なお楽しみです。
窓の中には、チョコレートやおもちゃ、小さなメッセージなどが入っていて、朝食前に「今日は何かな?」とワクワクしながら開けるのが恒例。

我慢できずに次の日の窓まで開けてしまう、というのはあるあるです。
そこで我が家では、このフライングを防ぐために、ちょっとした工夫をしています。

事前にお菓子入りのカレンダーではなく入れ物だけのカレンダーを購入。

わが家のアベントカレンダーは、リネンの素材にかわいい刺繍が施されていて、とってもお気に入り。
そして、中には常に3日分くらいのお菓子しか入っていない状態にして、少しずつ補充していくのです。


こうすることで、中身を空っぽにされる心配もなく、毎朝「今日は何が入っているかな?」というワクワク感が、クリスマスイブまで途切れずに楽しめます。
最近ではスーパーマーケットでもキャラクターものが並びますが、手作りのカレンダーを用意して子どもへの愛情を込める家庭も少なくありません。

■ 子どもたちが書く、サンタさんへの手紙

12月に入ると、子どもたちは 学校や家庭で「Babbo Natale(バッボナターレ=サンタクロース)」への手紙を書きはじめます。
街のあちこちにサンタさんへの郵便受けが設置され、子どもたちは願いを込めた手紙を届けに行くのが楽しみのひとつ。

さらに、郵便局に手紙を預けるとサンタさんから丁寧なお返事が届くという、夢いっぱいのサービスもあります。

ちなみにこの時期、親たちは、言う事を聞かない子どもたちに「バッボナターレが来ないよ!」とか、「ママがバッボにお手紙を出すよ!」と言って、日頃の行いを正すという微笑ましい光景もよく見られます。


■ I Villaggi di Natale(クリスマス村) ― 夢の空間とイルミネーション

12月の週末、イタリアのさまざまな街の広場に期間限定で現れるのが「I villaggi di Natale(クリスマス村)」。
まさにおとぎ話のようなこの場所は、家族連れで大賑わいとなります。
雪のような綿が敷き詰められた会場には、木のオーナメントや手作りのキャンドル、甘い焼き菓子を売る小さな家が並びます。

子どもたちの楽しみはもちろん、 「la casa di Babbo Natale(サンタさんの家)」。
赤い服を着たサンタさんと写真を撮ったり、一生懸命書いた手紙を直接手渡したりできるこのコーナーは、いつも長い列ができます。

サンタさんに会ったあと、子どもたちは頬をほんのり赤らめながら「ちゃんと手紙渡したよ!」と誇らしげな表情に。
その笑顔を見ていると、寒さも忘れてしまうほどのあたたかい気持ちになれます。


■ Mercatini di Natale(クリスマスマーケット) ― 街に灯る冬の魔法

12月のイタリアでは、どの町にも「Mercatino di Natale(クリスマスマーケット)」が立ち並び、街は一層の賑わいを見せます。
木の小屋の屋台には、職人の手仕事が詰まった品々がずらり。
羊毛フェルトの人形、蜜ろうのキャンドル、木彫りのオーナメントなど、あたたかみのある工芸品が並びます。
あたりには、焼き栗やホットワインの香りが漂い、その熱気が訪れる人たちの頬を赤く染めるほどです。

特に北イタリアでは、ドイツ文化の影響を受けたマーケットが多く、本場の雰囲気を同時に味わうことができます 。


■ Tavola Natalizzio(クリスマスの食卓) ― 食卓に集う幸せ

12月に入ると、イタリアでは学校や職場、友人同士でのクリスマス会が一斉にスタート。

クリスマス当日は家族や親族と過ごすのが一般的なため、その前に友人たちとの交流を楽しみます。
お友だち同士で自宅にお菓子を持ち寄りお茶会をしたり、自宅に招いてランチやカフェをしたりと、この時期ならではの楽しい時間を過ごします。
こうした場で、1年を振り返るあいさつを交わしたり、冬休みの過ごし方について話したりするのも恒例です。

12月は、まさに毎週ごちそう三昧のシーズン。
外食をする機会も増え、みんながここぞとばかりにとびきりの美味しいワインを開け、贅沢な食事を楽しむ、賑やかな締めくくりとなるのです。


■ Regalo di Natale(レガーロディナターレ) ― クリスマスプレゼント選び

イタリアのクリスマスシーズンは、プレゼント選びにも熱が入ります。

定番のパネットーネやワイン、お菓子の詰め合わせはもちろん人気ですが、ハムやチーズ、パスタソースといったグルメな食材とワインをカゴに詰めたギフトセットなども定番です。

イタリア人がクリスマスプレゼントにかける費用は、1人あたり平均200ユーロ(日本円で約3万5000円)とされ、物価が上昇する中でもその熱意は変わりません。
自分の子どもや親族以外にも、お歳暮のような感覚で日頃お世話になっている人へ感謝をこめてプレゼントを用意したり、友人同士でプレゼント交換したりと、このシーズンのギフトには特に力が入ります。

親族のクリスマス会では、子どもたち一人ひとりにみんなからプレゼントを贈るのが定番。
そのため、子どもたちは毎年たくさんのプレゼントを受け取ります。
私も気づけば、毎年20人ほどの顔を思い浮かべながら、さまざまなプレゼントを用意しています!


まとめ

いかがでしたでしょうか。

日本とはまた違う、あたたかく賑やかなイタリアならではのクリスマスの様子が、少しでもみなさんに伝わったら幸いです。
ぜひこの冬は、ご自身への特別なクリスマスプレゼント選びも楽しんでくださいね。

ではまた次回。Buon Natale(ブオン・ナターレ)、良いクリスマスをお過ごしください!

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