Eli's note from MILANO #1 『イタリア流、日常を楽しむ「特別じゃない」ヒント』
はじめまして。
イタリア・ミラノ在住、JIAS ONLINEインポート雑貨担当のエリです!
このコラムでは、インポート雑貨に関する情報だけでなく、イタリア・ミラノを拠点に暮らしながら見つけた面白いものや、人々の暮らしや考え方、ライフスタイルなどをご紹介。
また、ミラノだけでなく、雑貨やファブリックなどの買い付けで訪れる街で見つける美しいものやその土地の珍しい風習など、日本育ち・イタリア生活が少し長くなってきた私の目線で綴っていきたいと思います。
記念すべき初回は、日本やイタリアの友人たちに最もよく聞かれる
「日本とイタリアの生活の違い」について。
二つの国での生活の違いは山ほどあるのですが、最も大きく違うのは「日常の楽しみ方」だと思っています。
イタリアの人々は人生を楽しむ天才で、何でも楽しいことに変えてしまうのです。
・明るくポジティブ!
・細かいことは気にしない。
・自分の失敗も他人の失敗も笑い飛ばしてしまう寛容さ。
などなど、皆さんも想像するように明るい印象のイタリア人。
実際の暮らしの中でも何か特別なことをしているわけではなく、日常の中のちょっとした幸せや、人生を楽しむ工夫をみんな持っているように感じます。
そんな太陽の国イタリアの、日本人の私から見て興味深いと思う「日常の楽しみ方」をいくつかご紹介します!
-
日焼けも気にしない!晴れている日は気持ちの良い屋外で過ごす
天気が良い日はとにかく外で太陽を満喫。
それはわざわざビーチに行くというものだけではなく、日常生活の中でできる範囲でも、とにかくできる限り屋外で過ごすことを好みます。日焼けなんて気にしません、太陽を楽しむことを優先しているようです。私の記憶では日傘を使っている人を見たことがありません...!
また、飲食店も天気が良い日のランチはテラス席で、夕方はレストランやバーのテラスは溢れかえるほどの人で賑わいます。街中の広場も多くの人が集まり、それぞれお酒を飲んだり好きなことをして過ごすなど、晴れの日のイタリアはみんな外に出るので街中が活気に満ちています。
-
ドルチェ(甘いもの)は我慢しない
なぜか日本ではスイーツは女子の食べるもののような印象がありますが、イタリアでは全くそんなことはありません。
女性だけでなく、おじさんグループ全員で楽しそうにスイーツを食べている光景がよくあり、それがとても微笑ましいです。
美味しいデザートを食べた時は、ひと口目から幸せな気持ちになれますよね。
こういうちょっとした幸せをイタリア人はしっかりと堪能します。ちょっとダイエット中だから我慢しようかな…なんて言葉は無粋、美味しいものは楽しむべきだと思ってしまいます。
例えば、暖かい季節はあちこちでジェラートを食べている人がいて、美味しいジェラート屋さんは大行列。
南イタリアの夏の朝食はブリオッシュというパンの上にジェラート、それぞれみんなお気に入りのジェラート屋さんがあります。ちなみに、イタリアの一般的な朝食は甘いクロワッサンにカプチーノ。朝から甘いものを食べてご機嫌です。
-
縁起が良いジンクス?グラスが割れたら拍手
日本のレストランで店員さんがグラスを割ってしまったらシーンとして、なんだか気まずい空気が流れることもしばしば。
しかしイタリアのレストランでは違います、客席のあちこちから拍手「おめでとう!」という声が上がります。きっといいことあるよと、楽しい雰囲気に。
イタリアにはグラスが割れることを縁起のいいこととする風習があるからという説もありますが、「ドンマイ!」と店員さんの失敗をお客さんが明るく笑いに変えて労う寛容さが、私はとても好きです。
-
おしゃべりが大好き
私はイタリアにいて、孤独を感じることがあまりありません。というのも、いつでもどこかで誰かが気軽に話しかけてくれるのです。バスを待っている間、郵便局で順番を待っている間、バールでカフェを飲んでいる時など、とにかく見ず知らずの人が話しかけてくれます。
いきなり話しかけて相手に変な人だと思われないかなとか、そんなことは気にする必要はなく、そこに誰かいたらおしゃべりするという、ちょっとした日常のコミュニケーションなのです。
時々、私はこういうちょっとしたおしゃべりに心を救われています。ちょっと気分が落ち込んでいる時に、たまたま隣にいた人と他愛ない会話をすることで、クスッと笑ってしまったり、ムードが変わって「まあいいか!」と、軽い気持ちになれたことが何度もあります。
また、普段の生活では知り合うことがないような世代の違う人から素晴らしい名言をもらったり、思わぬ難問を問いかけられたり、とても印象に残るエピソードが山のようにあり、それが私の日常に彩を添えてくれています。
そうすると、単にバスを待つ「退屈な待ち時間」が、「意味のある時間」に変わるのです。
たとえそれが挨拶程度だったとしても、笑顔で誰かと一言交わすことで、少し楽しい気分になれたりするものです。
-
小さなことでも褒め上手!
イタリアの人は、人のことをよく褒めます。日本でもお馴染みの「ブラボー」という言葉はイタリア語で「素晴らしい」という褒め言葉ですが、日常的によく使います。小さなことでも上手くできたら「ブラボー!」と、他人のことでも自分のことでも思いきり褒めます。
友人と会っても、「今日あなたの髪型素敵ね!」とか、道ですれ違った見知らぬ人でも「あなたの靴とても素敵ね、私好みだわ!」など気軽に言ってくれます。それに対する返答も「ありがとう!」と、素直に受け入れます。日本だったら、ちょっと謙遜してしまい「いえ、そんなことないです…」などと言ってしまいそうですが、良い言葉は笑顔で受け入れた方がいいですよね。
子供も大人も褒め上手、褒められ上手だなと感心します。人はみんな褒められると嬉しいものですし、良いことは躊躇せず口に出していいのだと常々感じさせられます。
-
まとめ
特別なことをしているわけではないのに、いつも明るく楽しそうに暮らしているイタリアの人々から学べることがあると思いませんか?
今後も時々、イタリア流・日常生活を楽しむヒントなどを紹介していきますので、お楽しみに!