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トレヴィーゾ便り #5「熱気あふれるデザインの祭典:フォーリ・サローネの魅力」

トレヴィーゾ便り #5「熱気あふれるデザインの祭典:フォーリ・サローネの魅力」

みなさんこんにちは。イタリア、トレヴィーゾ在住のミナミです。

新緑が目に鮮やかなこの季節、世界中のデザイン関係者が注目する一大イベント、「ミラノ・デザインウィーク2025」が今年も大きな盛り上がりを見せました。
ミラノの街全体がデザインの熱気に包まれるこの期間には、「ミラノ・サローネ」と「フォーリ・サローネ」が同時開催。

今回は、街中で繰り広げられるフォーリ・サローネにフォーカスし、活気あふれる様子をみなさまにお届けしたいと思います。

ミラノ・サローネSalone del Mobile.Milano)とは?

正式名称は「Salone del Mobile.Milano(サローネ・デル・モービレ・ミラノ)」。

通称は「ミラノ・サローネ」として親しまれています。
世界最大級の家具・インテリアデザインの国際見本市であり、展示会場「Rho Fiera Milano(ロー・フィエラ・ミラノ)」で、毎年4月に開催されます。
1961年に創設されて以来、世界中の建築家、デザイナー、バイヤー、企業、ジャーナリストが集まる、デザイン界最大のイベントのひとつとして成長してきました。


フォーリ・サローネ(Fuorisalone)とは?

ミラノ・サローネの開催に合わせて、ミラノ市内(特にブレラ、トルトーナ、イゾラ地区など)で行われる無数の展示・インスタレーション(※)・イベントの総称が「フォーリ・サローネ」です。
※インスタレーション=特定の空間にオブジェや装置などを配置し、その空間全体を作品とする現代美術の表現手法。
作品の中に浸り、空間全体を体感して鑑賞します。

ミラノ・サローネが公式な国際見本市であるのに対し、フォーリ・サローネは市内各所で開催される、より自由で多様なデザインの発信の場。
企業に加え、アーティストやスタートアップ、学生なども参加し、街全体が「デザインの祭典」として賑わいます。

近年、多くの企業がフォーリ・サローネに注力する傾向にあり、公式会場であるミラノ・サローネに行かずとも、質の高いインスタレーションに出会える機会が増えています。

2025年のフォーリ・サローネは、「Mondi Connessi(つながる世界)」をテーマに、デザインとテクノロジー、自然、文化が融合した多彩な展示やイベントが繰り広げられました。

事前登録や予約が必要な場合もありますが、並べば入場可能です。
1週間で効率よく巡れば、圧倒的な数のデザインを堪能できる絶好のチャンスと言えるでしょう。


ミラノ・デザインウィークがもたらす経済効果

これらミラノ・サローネとフォーリ・サローネが同時開催される期間を「ミラノ・デザインウィーク」と呼びます。

今年の期間中、ミラノには約40万人が訪れ、街全体が熱気に包まれました。(昨年の来訪者は約37万人でした)
この時期、市内のホテルやレストランは予約でいっぱい。宿泊費は通常の3倍から5倍にまで高騰します。

期間中にもたらす経済効果は275億ユーロを超えるのだとか。
ファッション業界はもちろん、観光業、飲食業も大きな盛り上がりを見せています。


フォーリ・サローネの見どころ8選

●「Library of Light(光のライブラリー)」

ブレラ美術館(Pinacoteca di Brera)の中庭「Cortile d’Onore(コルティーレ・ドノーレ)」にて、英国の舞台芸術家エス・デヴリン(Es Devlin)による壮大なインスタレーション「Library of Light(光のライブラリー)」が展示されました。

直径18メートルの円形構造物は、2,000冊以上の書籍を収めた光る棚で構成されており、訪れる人々を包み込むような空間をつくり出しています。
書籍は「人間のための思考(Thought for Humans)」というテーマのもと、科学、哲学、スピリチュアリティに関する作品が集められました。

英国の俳優ベネディクト・カンバーバッチ(Benedict Cumberbatch)による理論物理学者カルロ・ロヴェッリ(Carlo Rovelli)の「時間」に関する朗読や、数学者マリア・ガエターナ・アニェージ(Maria Gaetana Agnesi)の言葉がエス・デヴリン自身の声で響き渡り、光と音、文学が融合した没入型の体験が提供されました。


●「ELLE DECOR(エルデコ)」

インテリア雑誌を手がけるELLE DECOR(エルデコ)社。
ポルタヴェネツィア地区にある18世紀の建物の中で、選りすぐりのインテリアデザイナーたちによる展示が行われていました。
会場を彩るイエローカラーのインテリアが、ひときわ印象的でした。

建物の中にグリーンを配置し、床には石を敷き詰めることで、まるで屋外にいるような空間を演出。
窓から差し込む自然光によって、インテリアの表情が時間とともに変化します。

こちらは休憩スペース。
ソファに置かれたパープルのクッションは、アイボリーカラーのソファに深みを与え、空間にリズムを生み出しています。
展示の一部ですが、実際に座って気に入った場合は購入することもできます。


●「Golden Light Cage(金色に光るかご)」

17世紀に建築されたPALAZZO LITTA(リッタ宮殿)。
普段は一般公開されていない特別な空間で、「Golden Light Cage(金色に光るかご)」 – LCD Textile Edition と題された壮大なインスタレーションが展示されました。
リサイクル素材と半貴金属のワイヤーを用いて作られた光のケージが、宮殿の豪華なシャンデリアを取り囲むように設置されています。
光が織りなす反射は、床と天井の境界線をあいまいにし、ほかで見られないような幻想的な視覚体験を生み出しています。


●HONOKA×AQUA CLARA社コラボ

日本のデザインラボ「HONOKA(ほのか)」は、2023年度サローネサテリテ(若手デザイナーの登竜門)にてグランプリを獲得し、世界中から注目を集めています。
今年は、アクアクララ株式会社との共同制作で、廃棄されるペットボトルの蓋を再利用した、丈夫で耐熱性にも優れた美しい作品の数々を展示しました。
今回のミラノ・デザインウィークの中でも、個人的に強く心を惹かれたインスタレーションでした。


●「LOEWE(ロエベ)」

現在、ファッション界で大きな注目を集めるロエベは、今年で出展9回目を数えます。
芸術とクラフトへの深い敬意を示すロエベは、ブレラ地区に佇む歴史的なチッテリオ宮殿を舞台に、特別な展示を行いました。
日常に寄り添う普遍的な存在である「ティーポット」をテーマに、世界中のアーティスト25名が独創的な芸術を生み出しました。

日本人作家による、繊細な手仕事が際立つ作品も見られました。

ロエベのクラフトマンシップが光る、新作バッグも展示。上質な素材や丁寧な縫製を感じられます。

作品の展示スペースにのみライトを当て、作品が浮かび上がるような幻想的な雰囲気が演出されていました。

来場者には、今回の展示作品のカタログが入った冊子が記念品としてプレゼントされました。
この特別なノベルティを求めて、街のあちこちで多くの人が行列を作っていました。


●「LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)」

ポルタヴェネツィアにある宮殿で話題のルイ・ヴィトン展示は、2時間近く並んで鑑賞する価値があったと言えます。
高度な職人技術と際立つデザインセンスに、ただただ感動するばかりでした。

カラフルなオブジェたちが、訪れる人の心を躍らせます。
ルイ・ヴィトンの象徴的なデザインが施されたテーブルウェアは、ブランドの世界観を食卓にもたらしていました。


●グリーンデザインと空間構成

イタリアのデザインブランド「Paola Lenti(パオラ・レンティ)」は、「Ritrovarsi(再び出会う)」というコンセプトを軸にしたインスタレーション。

昨年、同社はミラノ市内の古いプリント工場をフルリノベーションし、自然と人工環境の調和するフラッグシップショップ兼ショールームをオープンしました。
その敷地内には、湿潤な庭、受粉を促すグリーンルーフ、食用植物の森、熱帯パティオ、多年草の庭、そして繭のような空間など、特徴的な6つの植生エリアが広がります。
まさに都会の中心に現れたオアシスのようなその場所は、訪れる人に安らぎと新たな発見を与えているようです。
この特別なショールームは、植物神経生物学者ステファノ・マンクーゾ教授が率いるデザインスタジオPnat(Project Nature)との協働によって実現しました。

広々とした庭付きのテラスで、カラフルなソファーやパラソルがひときわ目立ちます。

建物と建物の間に作られた植物園のような緑豊かな空間。そこに置かれたオレンジとイエローの家具が、目を引きます。

緑のトーンでまとまった空間がなんともオシャレです。

シチリア島、エトナ山の溶岩を土台に、顔料を混ぜたガラスで作られたテーブル


●「HERMES(エルメス)」

最後は、今年のミラノ・デザインウィークで注目を集めたブランドのひとつ「エルメス」。
ブレラ地区のLa Pelota(ラ・ペロータ)で、新たなホームコレクションを発表しました。
アーティスティックディレクターのシャルロット・マコー・ペルルマン(Charlotte Macaux Perelman)とアレクシス・ファブリ(Alexis Fabry)が手がけた展示は、ミニマルでありながらも詩的な空間演出が印象的でした。
洗練されたデザインの中に、エルメスらしい上質さが際立つコレクションとなっていました。

まとめ

いかがでしたか?

今年のミラノ・デザインウィークは、過去最高の訪問者数を記録し、街全体がまさにデザインの祭典のような賑わいを見せていました。
ご紹介した数々の展示は、それぞれのブランドやデザイナーのユニークさ に満ち溢れ、訪れる人々に多くの感動を与えたことと思います。
もしデザインの世界にご興味をお持ちでしたら、いつかこの素晴らしい祭典を体感しに、ミラノを訪れてみてください。

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